SAPIXには上位クラスで入塾しないと意味がない。最初に入塾したクラスより上位クラスに上がることはできない。こんな話を聞いたことはないでしょうか?これは大嘘です。
我が家の二人の娘、長女あっちゃんと次女なっちゃんは、それぞれ新四年生として2022年と2023年にSAPIXに入塾しました。そして、2023年6月時点では、二人とも入塾時よりはるか上位のクラスに所属できています。
つまり、入塾してから勉強すれば、クラスは上げられるということです。そして、入塾時のクラスなんてどうでも良いということです。まずはSAPIXという環境に身を投じられるようにする。ギリギリでも良いのでSAPIX入室テストに合格する。それが大事なのでないかと思います。
こちらの記事では、上位クラスで入塾する意義は乏しい理由をあっちゃんとなっちゃんの経験を踏まえて解説します。
- SAPIXに入塾するとき上位クラスに入れなくても問題ありません
- 入塾生の入塾時のクラスは内部生より低くなりやすいと思われます
- 入塾生のクラスが上がりにくい期間はたしかにあります
- 時間が経つと入塾生はクラスを上げやすくなります
- SAPIXクラス変動の仕組み
- まとめ
SAPIXに入塾するとき上位クラスに入れなくても問題ありません
SAPIXに限らず、進学塾に通う目的は、中学受験に合格することだと思います。そして、中学受験に合格しやすいのは上位クラス。だから、上位クラスに進級したい。これが上位クラスを目指す理由だと思います。
では、いつ上位クラスに所属できていれば良いのか?それは中学受験を控えた六年生のときです。四年生・五年生のときに上位クラスに所属していたとしても、受験前に上位クラスから落ちてしまっていたら、意味がないと思います。
つまり、入塾時のクラスなんてどうでも良いということです。クラスは入塾してから上げていけば良いのです。そして、後述しますが、入塾してからしっかり勉強していけば、入塾生にはクラスを上げられる理由があります。
ただ、入塾しないことにはクラス分けゲームの土俵にすら上がれません。だから、まずは入塾することが大事です。入塾したら、SAPIXの授業や教材でしっかり勉強する。そうすれば、クラスは自然と上がっていくものなのでないかと思います。
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入塾生の入塾時のクラスは内部生より低くなりやすいと思われます
SAPIX新四年生の入室テストは、入塾希望生しか受けません。逆に言うと、内部生は受けません。では、入塾生のクラス分けはどのように行っているのか?あっちゃんとなっちゃんの試験結果通知によると、入室テストを内部生も受験したと“想定”して、クラス分けを行っているようです。
ただ、この“想定”は、内部生の評価に下駄を履かせているような印象を受けます。なぜなら、娘達の同級生の内部生の四年生進級時のクラスは、三年生時と比べると軒並み上がっていたからです。これは逆に、入塾生は下位クラスに配属されやすいことを意味しているのでないかと思います。
つまり、入塾生は入室テストでは公平に評価されていない可能性があるということです。ただ、それは入室テストだけです。入塾後は、入塾生も内部生も同じテストを受け、公平に評価されます。
したがって、入室テストで重要なのは、合格するかしないかだけで、配属クラスはどうでも良いということです。
入塾生のクラスが上がりにくい期間はたしかにあります
SAPIXのカリキュラムでは、同じ単元を何度も何度も繰り返し学習します。そして、同じ単元を学習する際は、学習内容の半分は前回内容の復習、残りの半分は新たな内容、といった形で進んでいきます。
これは新四年生入塾時も同じです。つまり、入塾時の学習内容の半分は三年生の復習、残りの半分は新たな内容といった構成に概ねなっています。
これの意味するところは、新四年生入塾生は、入塾時は四年生の学習内容に加えてSAPIXでの三年生の学習内容も勉強する必要があります。つまり、新四年生入塾生は内部生に対してハンデを背負っているということになります。
したがって、新四年生入塾生は、入塾当初はクラス分けテストを受けてもクラスが上がりにくいと思います。しかし、これも仕方ありません。三年生まで塾に通っている子が有利なのは当たり前です。そう割り切って、毎日コツコツ勉強を進めていくのみです。
時間が経つと入塾生はクラスを上げやすくなります
前述した通り、SAPIX新四年生入塾当初は、毎週の学習内容の全て、三年生の復習的な内容を含む全てが新たな学習内容になります。しかし、夏休みからの学習内容は、半分が四年生一学期の復習的な内容になります。
つまり、入塾から半年経つと、基本的知識の蓄積が内部生に追いつき、勉強のペースが内部生と同じようなものになっていきます。これの意味するところは、半年経てば内部生に対する入塾生のハンデがなくなるということです。ここからようやく、入塾以降の勉強の成果が、クラス上昇という形で表れやすくなります。
したがって、SAPIXに下位クラスで入塾した子でも、ここからクラスを上げていけば良いのです。受験勉強は長丁場です。時間をかけてクラスを上げていき、受験前に上位クラスにいられる力が身についていれば良いのでないかと思います。
SAPIXクラス変動の仕組み
SAPIXでは毎月のようにクラス分けテストが実施されます。そして、その成績に応じて新たなクラス分けがなされます。クラス分けテストの成績が良ければクラスは上がるし、悪ければクラスは下がる。とても単純な仕組みです。
テストには二種類あり、クラスの上下幅が限定されているマンスリーテスト(上下幅は通っている校舎のクラス数に応じて決まります)と、上下幅が限定されていない組分けテストとがあります。
つまり、マンスリーテストでは、とても優秀な成績をとったとしても、クラスは最大2~6つしか上がりません。逆に、マンスリーテストで壊滅的な成績をとったとしても、クラスは最大2~6つしか下がりません。
一方、組分けテストでは、最下位クラスにいたとしても、1番の成績をとると一気に最上位クラスに上がれます。逆に、最上位クラスにいたとしても、壊滅的な成績をとると一気に最下位クラスに転落します。
なお、4~5年生に関しては、マンスリーテストは毎年4月または5月、6月、8月または9月、10月、11月、12月、組分けテストは毎年1月、3月、7月に実施されます。
まとめ
SAPIXに入塾するとき、上位クラスで入塾する意義が乏しい理由を解説いたしました。
SAPIX含め、進学塾に通う目的は、中学受験に合格することだと思います。そのためには、六年生のときに上位クラスにいられることが重要です。つまり、入塾時のクラスはどこでも良く、下位クラスだったとしても、時間をかけてクラスを上げていけば良いのです。
入塾当初は、入塾生が内部生より良い成績をとるのは易しくありません。そういう仕組みになっているのでないかと思います。しかし、しっかりコツコツ勉強していれば、クラスは自然にじわじわと上がっていくものだと思います。
ただ、クラスが上がり始めるまでにしばらく時間はかかります。目先のクラスの上下に気持ちは惑わされますが、目的はあくまで中学受験合格です。長い目で子供の成長を応援するのが大事なのでないかと思います。